主食的な食べ物の分布
現代では、舌で文化を知ることが容易になりつつあります。
・・・そこで、舌で世界の文化を知るための、手助けになりそうなことをいくつかのべてみましょう。
まず「主食」という言葉についてのただし書きをつけておきましょう。
主食という観念は世界の民族に共通するものではありません。
・・・たとえば、海外ツアーでも人気の高いヨーロッパの言語には、主食にあたる言葉はなさそうです。
パンは、食卓にならべられる食べもののひとつにすぎず、食事の主役ではありません。
肉や野菜の料理はパンを食べるためのオカズではありません。
スープ、肉料理、野菜料理などの皿とともに食事を構成する食品のひとつとしてパンは位置するものです。
それにたいして、東アジア、東南アジアにおいては食事というものは主食と副食の2種類のカテゴリーの食品から構成されるものであるという観念が発達しています。
たとえば、現代日本語では、メシ(あるいはゴハン)に対置されるのがオカズであり、正常な食事というものは、メシとオカズの両者から構成されているものであるという観念があります。
そして、食事そのものがメシともよばれていますね。